Webアクセシビリティとは?
Webアクセシビリティとは、すべてのユーザーがウェブコンテンツにアクセスできるようにするための設計基準を指します。特に障害を持つ方々に対しても情報へのアクセスを保証することが、現代のWebサイトに求められています。法的義務を超えて、組織や企業の信頼性やブランド価値を維持・向上させるための重要な要素です。以下のような配慮が求められます。
- 視覚に障害がある人への配慮
色覚の違いや視力の低下に対応できるよう、文字サイズの調整や色のコントラストを強化します。 - 聴覚に障害がある人への配慮
音声情報に頼らず、字幕やテキストによる補足説明を提供します。 - 操作のしやすさ
マウスが使えない人でもキーボード操作で快適に利用できるよう、操作性に配慮します。
Webアクセシビリティに関するガイドライン
デジタル庁は、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を実現するため、ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックを発行しています。このガイドブックは初心者でも理解しやすく、以下の規格を基に作成されています。
- JIS X 8341-3
ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)が作成した日本の規格です。レベルA、レベルAAの達成基準早見表が同委員会のサイトで公開されています。 - WCAG
W3C(World Wide Web Consortium)が作成した国際規格です。WAICによって日本語訳が公開されています。 - ISO/IEC 40500
国際標準化機構(ISO)が作成したウェブアクセシビリティの規格です。
Webアクセシビリティに注目が集まる理由を解説
2021年に障害者差別解消法が改正され、2024年4月1日から事業者に対しても障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されました。これにより、事業者は法的にアクセシビリティ対応を求められるようになりました。
行政機関 | 事業者 | |
---|---|---|
不当な差別的扱い | 禁止 | 禁止 |
合理的配慮の提供 | 義務 | 努力義務 →義務 |
自社(自組織)のWebサイトがWebアクセシビリティに適合しているか確認し、検査結果を公開する企業や団体が増えています。特に、官公庁のサイトでは検査結果の掲載が進んでいます。
対処方法
検証ツール
Nu Html Checker、axe-core、Adobe Acrobat Proなどのツールを使って検証を行います。しかし、アクセシビリティ対応は技術的に複雑で、ツールの使いこなしや検出結果の解釈には専門知識が必要です。Webアクセシビリティに不慣れな方には扱いが難しいことが多いため、ホームページ制作会社など専門家に委託することも検討しましょう。
定期的なチェック
Webサイトのアクセシビリティ基準を満たしているかどうか、定期的にチェックすることが推奨されています。サイト制作時のみのチェックでは、運用に伴い基準を満たしていないページが増える可能性があるため、定期的な見直しが重要です。
まとめ
Webアクセシビリティへの取り組みは、単に法的義務を果たすだけでなく、企業や組織の社会的価値を高める重要な手段でもあります。すべての人が平等に情報にアクセスできる環境を提供することで、信頼性やブランド価値の向上に寄与します。今後もアクセシビリティ対応の重要性は増すと予想され、企業や組織は積極的な対応が求められます。